知っておきたい投資用語集
株式投資や相場に関するニュース、解説記事などで頻出する基本的な専門用語をまとめました。これらの用語を理解することで、市場の動きや記事の内容をより深く把握できるようになります。
あ行
悪材料出尽くし(あくざいりょうでつくし)
株価を下げるネガティブな要因がすべて市場に明らかになり、それ以上株価を下げる材料がなくなった状態。材料が出尽くしたことで、かえって株価が反発に転じることがあります。
アナリスト
経済や企業を専門的に調査・分析し、投資判断の参考となるレポートや予測を行う専門家。証券会社や調査機関に所属します。
移動平均線(いどうへいきんせん)
一定期間(例:25日、75日)の株価の終値の平均値を線で結んだもの。テクニカル分析の基本であり、株価のトレンドを見るために使われます。
インデックスファンド
日経平均株価やS&P 500などの特定の指数(インデックス)と同じ値動きを目指して運用される投資信託。分散投資ができ、手数料が安いのが特徴です。
薄商い(うすあきない)
出来高(売買の成立量)が非常に少ない状態のこと。参加者が少ないため、ちょっとした注文でも株価が大きく動きやすい(値が飛びやすい)傾向があります。
上値が重い(うわねがおもい)
株価が上昇しようとしても、すぐに売りに押されてしまい、なかなか高値を更新できない状態。特定の価格帯に売りたい投資家が多く存在する場合に見られます。
織り込み済み(おりこみずみ)
将来の業績変化やニュース(好材料・悪材料)が、すでに現在の株価に反映されている状態。良いニュースが出ても株価が動かないのは、この「織り込み済み」であることが主な理由です。
押し目(おしめ)
上昇トレンドにある株価が、一時的に前の安値まで下落(調整)した局面のこと。「押し目買い」は、この一時的な下落をチャンスと捉えて購入する戦略です。
終値(おわりね)
その日の最後の取引が成立した価格のこと。日々の株価チャートを作成する際の基準となる価格です。
か行
買い気配・売り気配(かいけはい・うりけはい)
市場で示されている、買いたい人が提示している最高の価格(買い気配)と、売りたい人が提示している最安の価格(売り気配)のこと。この価格差をスプレッドと呼びます。
株主優待(かぶぬしゆうたい)
企業が株主に対して、自社製品やサービス券、金券などを贈る制度。日本の個別株投資の大きな魅力の一つですが、優待内容は企業によって異なります。
キャピタルゲイン
株式や不動産などの資産を売却した際に得られる売買差益のこと。株を安く買って高く売ることで得られる利益です。(対義語:インカムゲイン)
空売り(からうり)
証券会社から株を借りてきて先に売り、株価が下がったところで買い戻して返却することで、その差益を得ようとする取引手法。主に信用取引で行います。株価の下落局面で利益を狙えます。
業績予想(ぎょうせきよそう)
企業が公表する、将来の売上高や利益(純利益、営業利益など)の見通し。投資家は、企業の実際の業績とこの予想を比較して、株価が割安か割高かを判断します。
権利確定日(けんりかくていび)
株主が配当や株主優待を受け取るための権利が確定する日。権利を得るためには、この日の2営業日前(権利付き最終日)までに株を購入しておく必要があります。
さ行
指値注文(さしねちゅうもん)
希望の価格を指定して出す注文方法。「1株1,000円になったら買う」など、価格を限定するため、希望通りに約定しないこともあります。
出来高(できだか)
ある期間(通常1日)に実際に成立した売買の株式の量のこと。出来高が多いほど流動性が高い(取引が活発で、売買しやすい)ことを意味します。
ストップ高・ストップ安
一日の株価の変動幅が、前日の終値から一定の範囲内に制限される制度。その日の制限値幅の上限に達した状態をストップ高、下限に達した状態をストップ安と呼びます。
損切り(そんぎり)
購入時よりも株価が下落し、含み損が出ている状態の株を、損失を確定させて売却すること。さらなる損失拡大を防ぐために重要なリスク管理の手法です。
た行
単元株(たんげんかぶ)
株式を売買する際の基本的な単位。日本の個別株のほとんどは100株が1単元と定められており、原則として単元株単位でしか売買できません。
テクニカル分析
過去の株価や出来高のチャートパターン、移動平均線などの統計的なデータを分析し、将来の株価を予測する手法。(対義語:ファンダメンタルズ分析)
騰落レシオ(とうらくレシオ)
市場全体の売られすぎ・買われすぎを判断する指標。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率を計算したもので、一般的に120%を超えると買われすぎ(天井圏)、70%を下回ると売られすぎ(底値圏)と見なされます。
特定口座(とくていこうざ)
ネット証券などで開設できる口座の一種。特に「源泉徴収あり」を選択すると、証券会社が納税手続きを代行してくれるため、投資家は原則として確定申告が不要になります。
な行・は行
成行注文(なりゆきちゅうもん)
価格を指定せずに「今すぐ買いたい(売りたい)」として出す注文方法。指値注文より優先されて約定しますが、価格は市場に任せるため、予想外の価格で成立するリスクもあります。
配当(はいとう)
企業が事業で得た利益の一部を、株主に現金で還元すること。定期的な収入源(インカムゲイン)となります。
ファンダメンタルズ分析
企業の財務状況(売上、利益、資産)や、経済情勢、業界動向といった本質的な価値を示す情報をもとに、株価を分析・予測する手法。(対義語:テクニカル分析)
PBR(株価純資産倍率)
株価が企業の純資産(解散価値)に対して何倍かを示す指標。一般にPBRが1倍未満だと、企業が持つ純資産に対して株価が割安であると判断されます。
PER(株価収益率)
株価が企業の純利益に対して何倍かを示す指標。一般にPERが低いほど、利益水準から見て株価が割安であると判断されます。
ポートフォリオ
投資家が保有している金融資産の組み合わせ全体のこと。株式、債券、投資信託、不動産などを複数組み合わせることで、リスクの分散を図ります。
ま行・や行・ら行
窓(まど)
前日の終値と当日の始値の間に、取引が全く行われていない空白の価格帯ができること。チャート上では線と線が離れて空間が開いたように見えます。大きなニュースがあった翌日などに発生し、通常は後にその窓を埋める動き(株価が戻る動き)が見られることがあります。
約定(やくじょう)
株式の売買注文が、市場で買い手と売り手の間で正式に成立すること。注文を出しただけでは約定とは言いません。
レジスタンスライン(抵抗線)
チャート上で、株価が上昇する際に何度も跳ね返される上値の節目となるライン。このラインを突破すると、さらに上昇する可能性が高まります。(サポートラインの対義語)
ローソク足(ローソクあし)
一日の株価の値動き(始値、終値、高値、安値)を、箱と線で表現したチャートの表示形式。1時間・5分といった期間で区切ることもあります。
日本株で一日のローソク足を説明するなら、始値は相場が開いた9:00の価格、終値は相場が閉まった15:30の価格、高値は その日の最高値、安値は その日の最安値になります。